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「たんじゅん農」=炭素循環農法から少し寄り道をしてみよう(土づくりその4) [自然農法の導入]

 「たんじゅん農」については驚かされることがあまりにも多く、このことについては、「たんじゅん農」に興味湧く と題して先に記事にし、その入り口だけ紹介した。
 その後、次のサイトを一通り読んだ。
 ・百姓モドキの有機農法講座
  http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html
 ・たんじゅん農を楽しむ広場
  http://tanjun0.net/
 読み終わって、自分ながら思ったことを先日このブログで 「たんじゅん農」=炭素循環農法を理解するにあたって思ったこと(土づくりその2)  と題して記事にした。
 そして、ここはボツボツいくこととし、まずは土壌の肥料過剰を解消することを優先し、「土を綺麗にする」ことをここ1年取り組んでみようと、 「たんじゅん農」=炭素循環農法を半分理解したところで準備作業に着手(土づくりその3)を記事にした。

 さて、炭素循環農法を柱に据えたいと思っているのだが、これとてオールマイティーではなかろう。他に実践で成功しておられる方もあろうとネット検索したら、河名秀郎さんが「ほんとの野菜は緑が薄い」という本を書いておられるのを知った。無肥料・無農薬の「自然栽培」とのことで、不起耕ではなく、「たんじゅん農」と類似している。
 “ほんとの野菜は緑が薄い”というのは、小生の場合、当地特産品の「徳田ねぎ」の栽培で身を持って体験している。当地の農家さんが栽培している「徳田ねぎ」は、栽培中盤で葉折れを防ぐため窒素肥料をしっかり追肥し、さらに終盤に窒素肥料をもう一振りして“葉を青々とさせる”というやり方で見た目を良くしておられるが、こうするとせっかくの甘くて柔らかい「徳田ねぎ」のうまさが殺されるのである。加えて、そうしたネギには硝酸性窒素が未分解で残っているから体に悪いし、畑の土も余剰窒素肥料が残っていて後作に普通に施肥すると後作が肥料過剰にもなる。その点、うちの「徳田ねぎ」は肥料を控えめにし、追肥もしないから、商品価値は落ちるが、どこよりもうまいと自負しているところである。“ほんとの徳田ねぎは緑が薄い”のである。
 こうしたことから、その表題が気に入り、早速購入して読んでみた。30分もしないで読み終えた。少々がっかり。というのは、消費者向けの内容が大半で、これはどうでもよくて飛ばし読みし、肝腎の栽培法の章にたどり着いたところ32ページしかなく、ごくごく基本的な事項しか書かれていなかったからである。なお、自然栽培するに当たっては自家採取の種での栽培が重要であることを章立てして詳細に書かれていたが、これは後日、ゆっくり再度読むこととする。
 32ページしかない栽培法であるが、それでも、大いに参考になる基本事項がいくつか書かれていた。それをしっかり頭に叩き込むために、以下メモしておくことにする。なお、「百姓モドキの有機農法講座」で書かれていたことを記憶を頼りに朱書きで書き添えた。

<土から不純物を抜くことからはじめる>
 化学肥料にとどまらず有機肥料、漢方系を含む一切の農薬、こうした不純なものを抜いて、もともとの状態に戻す。とにかく土をきれいな状態に戻せば、虫が来なくなる、余計な草が生えなくなる、そんな日が必ず訪れます。
 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」では強調されていないが、自然の状態に戻るのに「0から3年かかる」と書いてある。

<異物の入った土には「肩こりや冷え」が溜まっている>
 化学肥料を使い続けてきた畑の場合、外気温が19度のとき、上層は15~16度、下層が10~12度、その下の固い層が14~16度、といった結果が得られます。固い層まで30cmだと、その上6~8cm幅の5度ほど温度が低い「肥毒層」があるのです。これは、肥料や農薬などの異物が耕運機の使用とあいまって溜まった層です。この「肥毒層」をなくしていくことが一番のポイントです。重要だからこそ、一朝一夕にはいきません。
 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」では触れてない。

<有機栽培の落とし穴>
 有機肥料の場合は、はっきりとした「肥毒層」を作らず、肥毒はあちこちに散らばって存在します。これがかえってあだとなり、なかなか虫の害から逃れられない落とし穴にもなります。
 肥毒の多いのは動物の糞尿堆肥、肥毒の少ないのは植物由来のものです。有機肥料を止めて数年経っても虫や病気に悩まされることがあります。でも、これは土をきれいにするために避けては通れない浄化作用。自然栽培に移行するためには、ここでしばし耐えることが必要となります。
 ※本項に関しては「百姓モドキの有機農法講座」でも動物性有機肥料はやっかいだと書いてあったと記憶している。
 なお、自然栽培に移行できた畑でも、10年後に突如として線虫被害が出た例があります。これは昔入れた有機肥料の「肥毒」が今になって出てきたものと推測されます。翌年以降、線虫被害は皆無。
 ※本項の「なお書き」に関して「百姓モドキの有機農法講座」でも書かれていたように思うが、確かでない。
 ここで、薬屋のおやじから一言。このことは人間についても言え、精神病患者が向精神薬の断薬に成功しても数年後に体内脂肪の中に隠れていた少量の昔の薬が脂肪分解とともに血中や脳に戻ってきて影響を与えることがあり、このような状態のことを「トリップ現象」や「薬物性フラッシュバック」と言いますが、この知識がないとこの状態を「精神疾患の再発」と誤認してしまうことがあります。植物も人間も同じ反応を示すのですね。

<土の「凝り」をほぐす方法>
 こうした「肥毒」を早く抜くために、積極的に耕します。
 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」では、やったとしても深耕を1回だけとし、頻繁にやると土壌中の微生物層に悪影響を与えるとしている。軽く掘って高炭素素材を埋め込むなり、苗の作付けも軽く掘るだけとすることを勧めている。

<人と自然がコラボすれば、野生よりもおいしい野菜が育つ>
 砕いた「肥毒層」はそのままにしておくと数年後には再び固まってしまいます。そこで、次に、大豆、小麦や大麦などを植え、植物の根っこで「肥毒」を吸い上げてもらいます。
 大豆は、砕いた「肥毒」の塊をさらに細かくし、直根性が強い麦は、細かくなった「肥毒」を根の力で外に吸い上げてくれるのです。 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」では、大豆は土壌中で窒素固定をしすぎるから避けたい栽培作物であるとし、麦やトウモロコシの栽培を勧めている。特にトウモロコシは根張りがよく、かつ、高炭素素材であるから残骸をすき込むのを勧めている。
 自然栽培に移行した生産者は、「肥毒層」がなくなるにしたがって作物の収量が上がり、質も高くなってくると口を揃えて話します。
 ※本項に関しては「百姓モドキの有機農法講座」でも同様

<土がきれいになれば、ミミズは自然にいなくなる>
 「肥毒層」がなくなって、土が本来の状態を取り戻せば、土は「柔らかい、温かい、水はけが良く水持ちがいい」状態になります。土が自然な状態に近づくほど、こうした状態になります。そして、ミミズが減り、いなくなる。ミミズがいるうちはまだ土ができていないのです。
 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」でも同様だが、ふかふかした土はまだ完全な状態にはなっていないとのことである。

<同じ畑で同じ野菜をつくり続ける>
 野菜も同じ場所で作り続けることで、土壌にどんどん馴染んでいきます。土ができあがっていくにつれ、連作したほうが収穫量も上がり、野菜の質もよくなっていくという結果が出ています。
 ※本項に関しては「百姓モドキの有機農法講座」でも同様

<「不耕起栽培」との違いは>
 「不耕起栽培」=「自然農」と「自然栽培」との決定的な違いは耕さないか耕すかという点。自給自足のための野菜づくりなら、耕さないのも一つの手だと思います。自然栽培では、土を積極的に耕します。適度な除草もします。土の中から肥毒を取り除くために耕し、発芽にエネルギーがいくように草を抜いたりと、野菜が育ち易い環境をつくるために人が手を添えることが必要。
 自然の性質を知り、その性質が生きるように手を添え、自分たちもその恵を受けることができる。人間が自然のサイクルに入る意味が生まれます。それが自然栽培です。自然栽培はあくまで、自然側からの視点を持つ農業なので、今までとは方法論が全て逆になるのも当たり前です。
 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」でも同様に言っているが、耕すのは最小限とするも、一切耕さない自然農は大間違いと言っている。

<一生懸命育った野菜はおいしい>
 「今まで食べたことがないくらいおいしかった」「びっくりした」
 はじめて自然栽培の野菜を食べたお客さまからこんなありがたい声をいただくことも多いのです。
 なぜ自然栽培の野菜が生命力に満ちあふれたおいしい野菜になるかというと、人為的に与えられた肥料ではなく、自分の根を一生懸命伸ばし、土本来が持ち合わせた養分を吸い上げて育っていくからだと思います。軽い飢餓状態だからこそ、自分で栄養を求めて地中深く深くに根を下ろしていく。そうすることで、野菜も強く育ちます。
 これが自然界の法則であり、本来の野菜の姿であり、自然栽培において無肥料でも立派な野菜が育つ理由です。
 根が元気に伸びれば、土壌微生物の動きも活発になって土を温め、柔らかくしてくれるため、植物はさらに根を伸ばせます。根が伸びれば伸びるほど、しっかりと根を張るため、地上に出ている部分も元気に育ちます。おいしい野菜が育つということです。ここに、とてもいい循環が成り立つようになります。
 ※本項に関して「百姓モドキの有機農法講座」でも同様だが、理由としては土壌中の微生物層が全てであると言っている。

 といったところが、河名秀郎著「ほんとの野菜は緑が薄い」から得た知見だが、前回の記事で「ここはボツボツいくこととし、まずは土壌の肥料過剰を解消することを優先し、土を綺麗にすることをここ1年取り組んでみよう」としたことは、どうやら正解のようである。
 すでに、トマト2畝については苦土石灰だけは振ったもののその他の肥料は全くなしで栽培している。ただし、定植穴には適当量の牛糞を入れた。なお、畝作りにあたっては、藁と土壌改良菌を埋め込んである。
 そして、近々実行しようと思っているのは果樹園での対応である。
 有機肥料の投入が度が過ぎたのかイチジクが1本枯れてしまった。ここには晩秋に、もう1本の同種のイチジクの根元から吹き出している根付きの若枝を掘り取って移植しようと考えているのだが、それまでに肥料過剰を少しでも解消しておく必要があろう。
 その方法としては、上層に被っている有機肥料をある程度の土とともに取り除き、その場所にトウモロコシの種を撒き、過剰肥料を吸い上げさせるとともにトウモロコシの根張りによる土壌の団粒化促進を期待したい。
 なお、トウモロコシの収穫後に透明ビニールシートを敷き、「太陽熱処理」による土壌中の微生物群のリセットを画策している。この「太陽熱処理」は「たんじゅん農」の手っ取り早い自然農法への近道となっているものである。
 また、トウモロコシの残骸は高炭素素材であるから、何らかの方法で砕いて「百姓モドキの有機農法講座」にのっとり野菜栽培畝に敷きこもうと考えている。
(10月27日追記)
<トマト栽培>
 トマト2畝については、うまくいったが、葉が青々していたから、前作のメロンや山芋の残留有機肥料があったからと思われる。
 なお、トマト2畝の後作としてキャベツ1畝、ブロッコリー・カリフラワー1畝栽培しているが、完全無肥料であるものの、青々と元気よく生育しており、キャベツはもう収穫しつつある。まだ、残留有機肥料がありそうだ。
<イチジク栽培>
 上層に被っている有機肥料をある程度の土とともに取り除くことを目論んでいたが、容易なことではなく、これを実施せずにトウモロコシを作付け。ところが、肥料十分と思われるもトウモロコシは大して生長せず、トウモロコシの根張りによる土壌の団粒化促進は失敗に終わった。
 トウモロコシ収穫後に少々深くビッチュウで起こして、雑草やトウモロコシの残骸を埋め込むことしかできなかった。そして、その場所の半分は日が当たらないので、透明ビニールシートを敷きの「太陽熱処理」も止めたところである。
 なお、近日、「たんじん農」のやり方に従って、刻み藁を表層に混ぜ込むことにしている。

「たんじゅん農」=炭素循環農法を半分理解したところで準備作業に着手(土づくりその3) [自然農法の導入]

 「たんじゅん農」については驚かされることがあまりにも多く、このことについては、「たんじゅん農」に興味湧く と題して先に記事にし、その入り口だけ紹介した。
 その後、次のサイトを一通り読んだ。
 ・百姓モドキの有機農法講座
  http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html
 ・たんじゅん農を楽しむ広場
  http://tanjun0.net/
 読み終わって、自分ながら思ったことを先日このブログで記事にした。
  「たんじゅん農」=炭素循環農法を理解するにあたって思ったこと(土づくりその2)  
 
 その後、「百姓モドキの有機農法講座」の主だったページをもう一度読み、実践に参考となりそうな箇所をプリントアウトし、新たに野菜の作付けをするときに取り組もうと考えた。
 しかし、事を急いては失敗しかねない。1、2年前に福岡正信氏の提唱する「不起耕」「雑草との共生」の真似をして一部は成功したものの多くは失敗した。
 その教訓を踏まえて、ここはボツボツいくことにした。
 そうした訳は、2つの理由がある。

 一つは、須賀前の畑はネコブセンチュウが全体にけっこういるようであり、サツマイモとニンジンの被害が苦になっていたから、昨秋からネコブセンチュウを絶やすための土壌改良に取り組み、概ね終了したところであるが、今年作付けのヤーコンの畝間はまだであり、これは今年の晩秋から来年の早春までかかる。なお、自宅前の畑のサツマイモ栽培エリア(南区画の東半分)も同様に処置した。
 その方策は、2種類の土壌改良剤(いずれも菌剤)とそれらの菌が増殖するための刻み藁(刻み藁が不足し、長いままの藁や籾殻も使う)&米糠を入れ込み、ビッチュウで畑起こしして混ぜ込むというものである。
 これの詳細は次の記事で記した。
  http://miyakekazutoyo.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
 これによって畑がどう変わるかを見てみたいのである。
 これに関連することとなろうが、「百姓モドキの有機農法講座」においても、“EM菌を1回だけ使う方法もあるが、よく知って使わないと逆効果となり、素人は手を出さないほうがいい”旨書かれている。

 もう一つは、うちの畑は有機肥料を多投していることである。小生は有機肥料を妄信しており、土壌が過栄養状態にあるのは間違いなかろう。
 今年は種蒔きから栽培に取り組んだトマトであるが、過去に時差栽培するために同様に実施したら草ボケしてしまった。肥料過剰であった。そこで、今年は施肥せずに栽培に取り組んでいるが、葉が青々としており、十分過ぎるほどの肥料が残っているに違いないと思われるのである。
 これでは、土壌菌もそうそう正常な姿にはなれないだろう。
 よって、まずは土壌の肥料過剰を解消することを優先し、「土を綺麗にする」ことをここ1年取り組んでみたい。

 ところで、「百姓モドキの有機農法講座」によると、「土壌菌は窒素を嫌い、炭素を求める」とあり、「C/N比の高いものを投入する」と土壌改良になると書かれている。
 うちで容易に手に入る「刻み藁」はそれに合格する数少ない炭素資材である。これはネコブセンチュウ対策で使った。今秋にもたっぷり手に入るから、来春まで「施肥なし、藁入れ」で当面野菜栽培できないかと思っているところである。

 なお、果樹栽培も10本以上行っているが、甘夏は有機肥料を多投入して甘味が出て成功したが、他は効果なしなり枯らしたりで失敗している。これらは今後施肥なしとし、枯れたイチジク跡の表層に残っているであろう有機肥料や堆肥を除け、少しでも過剰肥料を取り除くこととする。

 いずれにしても、土壌中で有機物や無機物の分解合成を行う生物は、「大きく分けて3つのドメインに分類され、菌類(糸状菌など)・細菌・古細菌(好熱菌、好塩菌、メタン菌など)に分かれ、これら3つのドメイン間でも共生関係が生まれ、糸状菌叢の正常化だけでは本来あるべき姿の土壌とはならず、細菌叢、古細菌叢が整い、かつ3つのドメイン間のバランスも整わねばならないのである。」ということであり、土壌中の微生物群が理想的な土づくりをしてくれるのであるからして、これを肝に銘じてボツボツ対処していくこととしよう。

(以下、次のページへ続く)
「たんじゅん農」=炭素循環農法から少し寄り道をしてみよう(土づくりその4)

「たんじゅん農」=炭素循環農法を理解するにあたって思ったこと(土づくりその2) [自然農法の導入]

 「たんじゅん農」については驚かされることがあまりにも多く、このことについては、「たんじゅん農」に興味湧く と題して先に記事にしたところである。
 先の記事でも紹介したが、「たんじゅん農」とは、炭素循環農法のことで、2001年にブラジル在住の林幸美氏(Sr.百姓モドキ?)がホームページで公開され、頻繁に補追、訂正が行われている。これには先駆者がおられ、同じくブラジル在住の「Sr.アヒル殺し」(日本人?日系人?)がおられ、その方の実践や理論を引き継いでおられるようだ。
 そのホームページは次のとおり。
 百姓モドキの有機農法講座
 http://tan.tobiiro.jp/etc/home.html
 なお、Sr.とはセニョール(ポルトガル語: senhor)で、英語のミスターに相当する語
 そして、日本において、それを普及させるべく、「しろ ゆうじ」氏が2009年にホームページを公開されている。
 たんじゅん農を楽しむ広場
 http://tanjun0.net/

 さて、炭素循環農法に入る前に、「土」の性状について広く知られている今までの知見で大いに参考になる事例をあげておこう。
 まず誰でも知っている森林限界という言葉。
 富士山や北アルプスの山岳地帯では概ね2500mで植物は生えなくなる。気温が低くなるから木が生えないというのではない。糸状菌(カビや茸)、これは通常の土壌微生物の中で最も多いものであるが、糸状菌は高山では繁殖できず、糸状菌が全くいないから木は生育できないのである。つまり、樹木は糸状菌との共生なくして生きていけないのである。
 砂漠でも同様であり、砂漠に植樹して水やりしても糸状菌がいない土壌であるがゆえに、苗木にくっ付いている糸状菌だけではおぼつかなく、樹木は全くといっていいほど生育しない。
 糸状菌の種類は非常に多く、なかには害になるものかあったり役に立たないものがあったりするが、菌から伸びた糸が複雑に植物の根と絡み合って糸状菌が作り出した様々な物質が植物の根に供給され、植物は生育できるのであり、糸状菌によってはまれに毒を入れて木を枯らすのである。
 植物の根と糸状菌の関係は、ヒトと腸内細菌の関係に酷似していると言ってよいであろう。
 ヒトの食性は、本来は完全な植食性であって、それも野草の生食で、芋も穀類も食べないのである。そして、それに適した腸内細菌が宿主のヒトとの共生関係でもって大繁殖し、後腸発酵によって各種アミノ酸、有機酸、ビタミンB群などを産生し、ヒトの栄養となっていたのであるから、でんぷん質もたんぱく質も一切摂取不要だったのである。
 ヒトの場合、今日では本来の食から大きく離れて穀類や肉・魚を多食するようになり、その結果、腸内細菌叢は様変わりしてしまい、後腸発酵によって産生される各種アミノ酸、有機酸、ビタミンB群などはほとんど作れなくなってしまっている。
 土壌とて植物を育てるために人が手を加えると同様なことになる。苦土石灰や化成肥料などの化学肥料に止まらず有機肥料(本来は土壌中で枯れた植物を糸状菌が分解すべきもの)を投与して、それを植物に直接吸収させるのだから、糸状菌の出番はなくなる。糸状菌が働こうとしても、これらの肥料が糸状菌の成育を妨げ殺すことになるから、慣行農法が行われている土壌の糸状菌叢は本来の姿とは全く異なった貧弱なものに変わってしまっているのである。
 よって、ヒトの場合、難病を克服するには生菜食しかなく、そうした食事療法を取ろうと、いきなり穀類や肉・魚を断って生野菜だけを食べ始めると栄養失調になって体を壊していまうから、腸内環境が整うまで玄米食を少量とるなど代替療法を取り入れたりする。
 植物を病害虫被害なしで元気よく育てる場合も、ヒトのこの例と同様に、土壌を本来あるべき姿の糸状菌叢にもっていくために何かの臨時措置を施し、それが成功したら、一切の肥料なし(ただし枯草などが必要)で素晴らしい野菜が取れるようになるというものである。
 このように、土づくりは、土壌の糸状菌叢を正常化させるのが第一に重要な方策として考えねばならぬ事項となる。
 ところで、土壌は糸状菌叢だけで出来上がっているものではないから、ややこしくなる。
 土壌中で有機物や無機物の分解合成を行う生物は、大きく分けて3つのドメインに分類され、菌類(糸状菌など)・細菌・古細菌(好熱菌、好塩菌、メタン菌など)に分かれる。
 これら3つのドメイン間でも共生関係が生まれ、糸状菌叢の正常化だけでは本来あるべき姿の土壌とはならず、細菌叢、古細菌叢が整い、かつ3つのドメイン間のバランスも整わねばならないのである。
 こうなると、理想的な土づくりをするのが至難の技となってしまうが、何もかも人の手でバランスを取らせたり、正常な叢づくりに手を出したりしなくても、一定の条件を与えてやれば、その後は彼らが思いのままに働いてくれ、うまくバランスを取り、正常な叢に近づけてくれようというものである。

 基本はこれでだいたい理解できた。
 じゃあ、理想的な土壌にもっていくにはどんな手立てをしたらいいのか、この先がまだ十分には分からない。
(書きかけ 以下後日)→ 「たんじゅん農」=炭素循環農法を半分理解したところで準備作業に着手(土づくりその3)

6.13 天気が良すぎて困る。この先1週間も雨なしとは。2週間ぶりに21日大雨。 [お天道様]

 ここ1か月ほどは天気が良すぎて雨が降らず、畑が乾きすぎる。
 近所にある岐阜気象台の観測では、5月13日:32mm、5月25~26日:29mm、6月1~2日:19mm、6月7~8日:29mmとなっており、ここ1週間ほど雨なしであり、次の雨もこの先1週間はなさそうだ。
 6月7日に梅雨入り宣言がなされ、その直ぐ後に注文しておいたサツマイモ(安納芋)の苗が届き、6月9日に定植したのだが、弱ったことになった。
 翌日の6月10日から毎日たっぷり水やりせねばならなくなったし、13日の状態では、ほとんど全部の葉は枯れ、芽だけがやっと生き残っているといった状態だ。少々遅れ気味の植え付けであり、この状態であると枯れないとしても成長遅れするだろうから、今年の収穫はあまり期待できなくなる。弱ったものだ。
 加えて、他の野菜も気になる。トマトは固定種の「世界一トマト」であり、ハウス育苗できなかったから大幅に成長遅れの状態になっている。畑に定植済みだが、土がカラカラに乾いてきており、枯れないとは思うが、生長は止まるであろう。そこで、11日からトマトにも水やりを始めた。サツマイモほどにはたっぷりとやっていないが、どれだけかの効果を期待している。
 トマトのついでに、これまたハウス育苗できず大幅に成長遅れの状態になっている白ナスにも水やりを始めたところである。
 もう一つ気になるのがイチョウ芋である。高畝にして種芋やむかごを植え付けてあるから、今、1~2割の芽吹きだが、せっかく出た根が水不足で枯れてしまわないかと心配になる。そこで、11日からここにも水やりを始めた。
 水やりをするとなると、大きいジョウロで散水するのだが、11日以降は13回は往復せねばならぬ。延べ距離数は500m以上、時間は30分はかかる。けっこうな労働量となる。
 加えて、今日から3日間断食することにしており、昨晩は肉・魚抜きの腹五分、断食開けはもっと少ない漸増食にせねばならず、水やりがおっくうになりそうだ。
 弱ったことになった。雨乞いでもしたくなる今日この頃です。

(6月17日)
 この記事を書いた翌14日から、あまりの好天続きで1日1回から毎日朝晩水やりするようになった。サツマイモの苗は着くものは着き、枯れるものは枯れた感がするが、山芋は移植したのものうち1株は枯れた。
 こうしてみると、やはり朝晩水やりした方が無難であろう。
 これをいつまで続けねばならないのだろうか。嫌になるところだが、夕刻の週間予報では21日から3日連続して傘マークが付いた。時々雨という心細いものではあるが、それまで辛抱強く水やりすれば、その後は何とかなろう。そう願いたいものだ。

(6月20日)
 これまでずっと乾燥注意報が出ていて、畑は水やりしても直ぐに乾いてしまうほど。
 待ちに待った待望の雨が明日21日にやってくる。前の雨からちょうど2週間経っての雨だ。この間の利息もつけてドバッと来るようだ。ちょっと度が過ぎるが止むを得ん。
 (結果:総雨量77mm、時間最大19mmと大したことなく済んでホッと安心。)
 昨日までで、全面草叩きなど必要な農作業は全部済ませた。これは好天であったからできたこと。畑の雑草はほとんどなくなった。今時分にこんな姿にできたのは例がなかろう。これで、今後の雑草対応が例年よりうんと楽になる。

(6月23日)
 今日は丸1日晴れ! 明日は曇天で25日から連続傘マークが付く。よって、21日の雨は梅雨の走りであって、実質の梅雨入りは6月25日だ。
 畑のぬかるみが取れた今日と明日で当面せねばならない百姓仕事が終る。有り難い。